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​Eri Hayashi 個展

不在について

          会 期          

2025年1月11日(土) 〜 3月23日(日) 

          会 場          

本館2F / 展示室

 

           休館日          

火曜・水曜 定休 祝日は開館

2/6・2/13・3/13

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本展覧会では「不在」をキーワードに過去作品と新作を合わせて展示します。

 

私は10年程ドイツに住みました。

それは言い換えれば日本に10年程いなかったということでもあります。

未だ現地の友人との交流はあるものの、ドイツに住んだ10年はすでに過去となり、懐かしい思い出になってきています。

しかし日本にいなかった10年は私に日本の習慣や言葉を忘れさせてしまい、

現在進行形で日本で生きている私の困りごとになっています。

例えばそれは、日本の事件や出来事を情報としてしか知らない、30代の社会人に求められる言動と実際の自分に溝がある、「同調圧力」や「空気を読む」がピンとこないといった社会的な問題です。

また日本語を聞いているはずなのに相手の言っていることがよくわからない、

ドイツ語を獲得する過程で使わなくなった日本語の言い回しがあり、

テレビなどで耳にするたびに強い違和感を覚えるといった言葉の問題でもあります。

人間の身体はひとつしかなく、身体が届く距離も決して広くはありません。

だからインターネットやAIなどの技術が発達した現代でも、

人が自分に関わることでさえ、全てを知り経験することができないのは当たり前のことです。

それでも帰国してから今まで「いなかった」ということがもたらす影響の大きさに圧倒され続けています。

そして「いる」ということだけでなく「いない」ということも人を構成する重要な要素であることを知りました。

この経験を元に過去作を振り返ってみると、現在と視点は違うものの「自分がいない(又は、いる)」ことが

鍵となっている作品があることに気づき、再解釈を試みました。

そして帰国してから今までの「いない(又は、いる)」の気づきを踏まえて制作した作品とともに本展覧会を構成しました。

今回の展示は作家個人の経験に強く焦点を当てたものになっていますが、

同時に人が生きていく上で出会う普遍的なテーマでもあると考えています。

本展覧会をそれぞれの個人的な出来事や他者との関係を交差させながら鑑賞していただけると幸いです。

 

 

Eri Hayashi

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Diver City 3.0

(2021年 / レーザープリント)​​​

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(2016年 / 木箱・ガラス・水・種)​​​

ITO:Entwurf

(2024年 / デジタルプリント・額縁)​​​

Leichte Symmetrie

(2024年 / アクリル板・デジタルプリント)​​​

Eri Hayashi

エリ ハヤシ
Artist

1990年生まれ
 
 
 
2021 ブルグ・ギービヒェンシュタイン美術大学芸術学部絵画学科イメージ・空間・オブジェ・ガラスコース マイスター号取得

2019 年 ブルグ・ギービヒェンシュタイン美術大学芸術学部絵画学科イメージ・空間・オブジェ・ガラスコース ディプロム号取得

- 主な助成 -

2019 年 平成30年度吉野石膏美術振興財団在外研修員(ドイツ)

2018 年 平成30年度ポーラ美術振興財団在外研修員(ドイツ)

 

 

- 主な展覧会 -

2022 グループ展「YOSHINOART CONNECT - 吉野石膏美術振興財団研修助成採択者成果発表展」(Spiral Garden / 東京)

     グループ展「glassjam PANORAMA」Taubenturm, (ディーセン / ドイツ)

     グループ展「瀬戸内国際芸術祭 2022」高見島(香川 / 日本)

2021 グループ展「glassjam」erstererster ギャラリー(ベルリン / ドイツ)

     グループ展「take-off, Meisterschüler *innen der Burg」Burg GalerieimVolkspark(ハレ / ドイツ)

2020 グループ展「ポーラミュージアムアネックス展」ポーラミュージアムアネックス(東京)

2019 グループ展「Parcours 2019. Diplome der Kunst」Literaturhaus(ハレ / ドイツ)

2024 グループ展「国際共同展覧会 - HOW TO STAY - 移動すること・変化すること・しないこと(伊勢現代美術館 / 三重)

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